2021年05月15日

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



基礎工事着工前におこなう詳細設計のお話しの続き。

3. 外部給排水雨水経路の確定と雨樋竪樋位置
4. 基礎下給排水衛生ガス冷暖房配管位置

今回の構造は枠組み壁工法ですが、
パネル化でおこなうため、2日間で一気に屋根までできあがります。
その前段として床工事がおこなわれるわけですが、
その時には、すべての基礎下配管を終えておきます。

また、建て方をおこなうためには、
先に外部足場を先行設置する必要がありますが、
その前に、外部および内部の配管工事を終えておくということです。

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



なぜかと言いますと、外部足場を設置してしまうと、
今度その足場を外す時は、屋根や外壁が終わったあと、
つまり、住まいの竣工が近い時期となります。
当然、竪樋の設置や基礎の巾木の仕上げも終わっているので、
その傍で土を掘り起こして配管工事をおこなうと
汚れや傷の元となりますし、何よりも、
竣工間際のバタバタした状況での外部工事は、
外構だけにしておきたいところです。

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3


住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



しかし、これらは副次的なことですが、
主たる目的は、床下の断熱性能を設計通りに確保するためです。
今回の住まいの省エネルギー性能は、
・外皮平均熱貫流率:0.48 W / ㎡K
・平均日射取得率:ηAH 1.4 ηAC 1.7
・BEI:0.76
という平屋主体の不利な条件にも関わらず、
高断熱性能を有しています。

そのため、床断熱材ネオマフォーム厚80mm、
床構造用合板厚28mm。
これに対して、床下配管の立ち上がりを
最小限の欠き込みでおこなうためには、
事前に床下配管を所定の位置の床上に出しておき、
床下施工時にピンポイントのみの開口処理で
納めることが必須となります。

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3


住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3


住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



そうでないと、80mmの断熱材を後から穴掛けとなると
その周囲の断熱材までも欠損することとなります。
よく、あとで現場発泡ウレタンを充填するから大丈夫という
話を聞きますが、これを完璧することは、難しいですし、
その確認を目視するためには、床下に潜ってすべて点検することになり、
これは不明瞭であり、性能を担保できることになりません。
第一、そんな床下で作業すること自体が無駄な労力です。

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



床の構造用合板厚28も含めれば
108mmの穴開けとなりますから、
あらかじめ床上までの先行配管をして、
床設置時に、最小限の穴開けで断熱材・合板をカットして、
さらにそれでもすき間の多い箇所には、
現場発泡ウレタンで充填する。
こうして、やっと上記の断熱性能を有した床を確保することができます。

設計上の性能をいかに現場で達成することができるか、
これは、設計者の現場監理技量に掛かっているわけです。
もちろん、建築施工者、設備業者、電気業者の各職方さんとの
事前打ち合わせや連携は、言うまでもありません。
綺麗に仕上がった床下・・・、
見えないところこそ、綺麗に仕上げる・・・
まさに、スティーブジョブズの精神ですね。

住まいの省エネルギー性能を設計通り確保するために3



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