2021年08月03日
セルロースファイバー断熱先行施工箇所の選択

住宅の外周部の断熱材施工は、
屋根葺き、外部サッシ、透湿防水シート、通気胴縁などの
外部の雨処理が完了して、
さらに、軒裏や軒先の納まりなど
大工さんの外部下地が終わってから
内部に入ってくるタイミングと、
これと並行しておこなわれる内部の電気工事の
進捗状況に応じて、施工時期が決まります。

今回の住まいでは、屋根・外壁・サッシの処理が終わった段階で、
早めに第1回目のセルロースファイバー断熱先行施工が入ります。
これはセントラル冷暖房のダクト工事前に、
ダクトが集中する部分では、断熱材、気密フィルム、
構造用石膏ボード張りを先行しないと、
ダクト工事後は、工事がでない箇所が発生するためです。

断熱材の種類に関していえば、
一般的な高性能グラスウール断熱材ではなく、
セルロースファイバー吹き込み断熱材としているのは
躯体のスタッド間隔が通常の455ピッチではなく、
303ピッチということが影響しています。
これは片流れの水上側の壁の高さへの対応や
各所の壁強度アップを目的としていますが、
この辺りは構造計算の壁倍率だけではなく、
住まい全体のバランスと区画からの判断となっています。


スタッド(間柱)303ピッチでは、
通常のグラスウール系やロックウール系断熱材の用意が無いため
既製品では対応できないのが難点です。
そのためにセルロースファイバー吹き込み断熱を採用していますが、
製品性能としは、熱貫流率に性能差があります。
・高性能グラスウール断熱材の熱貫流率λ=0.034W/m K
・セルロースファイバー断熱材の熱貫流率λ=0.040W/m K
ただ、その代わり吹き込み施工のため
断熱材の充填がしっかりおこなえる点と
密度が約3倍あるので、
遮音性が格段に高くなるというメリットがあります。
・高性能グラスウール断熱材の密度度20kg/m2
・セルロースファイバー断熱材の密度60kg±5/m2
上下階の遮音対策や交通量など外部環境音に対しては
大変有効な手段となります。

熱貫流率が低いといっても、以下のように
必要十分な省エネルギー性能は確保されています。
・外皮平均熱貫流率:0.48 W / ㎡K
・平均日射取得率:ηAH 1.4 ηAC 1.7
・BEI:0.76
また、断熱材を先行しておこなうためには、
その部分の電気配線工事や換気扇ダクト貫通部なども
先行しておこなっておかなければならないので、
建築・電気・設備の各施工者間での
事前打ち合わせと準備をしっかりとおこなうことが必要です。

2階へのダクトスペースはいつも苦労しますが、
今回はダクトスペースとして目立たない外壁側に出し
その手前の壁には、施工用の開口部を設けて、
造作工事で塞ぐという手法でおこなっていますが、
ここも、断熱材+気密フィルム+石膏ボード張り
を先行しないと人すら入れなくなります。

今回の施工には、さぶちゃんが活躍してくれましたが、
昔会ったごろうちゃんは他の現場だそうです。
もう20年以上も活躍しているそうですが、
こうして名前を付けることで、
スタッフがより大切に可愛がってくれるとのことです。
株式会社マツナガ
https://www.ms-matsunaga.jp/business/insulation/

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・・・どうも、ありがとうございました。

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